最初から「できる子」なんていないんだ！ リード生は劣等生？
問題を解くと考え方は合っているのにその都度、答えが違うという子がいます。
数学においては、多くの場合、計算が不正確なことが原因なのです。
ケアレスミスと簡単に片付けられない大きな原因が隠されていることにお気づきでしょうか？
「計算が合う合わない」は、その子の生活の様子が反映するものではないでしょうか。
問題を解くときに「計算がぐちゃぐちゃ」な子は、たいていの場合「自分の部屋もぐちゃぐちゃ」のように思います。（もちろん見たわけではないのですが）
ある中学2年生の男の子で、カバンの中はぐちゃぐちゃ・ノートの字はザツ（キレイな字ではなく、丁寧に書いてくれればいいのですが）本人にそれとなく聞いてみると・・・「部屋は散らかっています」との返事・・・。
ここで、「整理整頓ができれば計算だけでなく、他の教科もきちんと出来るようになる」という極論にいたります。部屋がきれいに出来るような几帳面さがあれば、計算も自ずと丁寧になっていく・・・と言えるからです。
しかし、そうは言っても「わかった。じゃあ、今日からばっちりきれいにします。」
そんな事が出来れば、良いのでしょうが現実はうまくはいきません。
子どもたちは整理整頓が嫌いです。きれい好きな子はいても、整理整頓好き、掃除好きはあまりいません。
学校ではちゃんと掃除をやるのに、家ではなぜやらないか。その決定的な違いは「強制力」の作用です。学校では先生という監視の目があって、やらない場合は説教または通知票という形での制裁が加えられます。また、周りの目もあります。が、家にはありません。通知票もなければ強制力もない、自分の自由、やりたい放題になりますよね。
子どもたちは、きれいで「ある」ことは好きでも、きれいに「する」ことは嫌いです。
でもきれいにしている子の話も聞きます。何が違うのでしょう？
もうおわかりかと思いますが「その事を許すか許さないか」にかかっているのです。
さて、この生徒には、塾に来る度に、ファイルチェックをし事細かに説明しながらの学習指導をしました。ウザイ表情をしながらも、通い続けるうちに、成績が主要五科目全てにおいてアップしました。本人はニコニコ顔。前の嫌そうな顔がウソのようです。
お母さんからも「塾に通うようになって、勉強に対する気持ちが前向きになったように思います。生活態度も明るくなりました。」と喜びの電話を頂きました。
私もうれしい限りでした。些細なことかもしれませんが私にとっては何よりの言葉であり、「もっと頑張ろう。」と思うエネルギーなのです。
先生が「自分の目標を口に出して言いなさい」と言う理由とは？
それは言葉にすることで、再確認する事ができるからです。
さらには、他人に宣言することで、言い訳が出来なくなるって事です。
また、口に出して言うと、不思議とその人の周りには、同じように思っている人が集まってきます。
いつも「がんばるぞ」と言っている人には、がんばってる人が集まってきます。
いつも不平不満ばかり言っている人には、不平不満だらけの人が集まってきます。
良い人間には良い人間があつまり、ダメな人間はダメな人間を呼び寄せるのかも知れません。
以前、中学3年生の女の子で、「面倒くさい・・・」「何か楽して勉強出来ないかな・・・」と公言する生徒がいました。
しかし・・・時間だけが、いたずらに過ぎていき、定期テストの結果は・・・いつもと変わらないまま・・・
本人は、「なんとかなる」「友達の点とあまり変わらないし」と余裕の表情です。
入試も間近に迫ったある月の模試・・・結果は志望判定“D”・・・・
さすがに、本人も焦りを感じ、今まで、「行けるならどこでもいいかな」と言っていたのですが、どうしても「志望判定“D”の高校に行きたい！！」と公言するようになりました。
それからの彼女は、日曜日も率先して塾に通い、「今日はここを理解して帰る」「宿題を出して下さい」と、かなり前向きにそして諦めない姿勢で取り組んでいました。
そして、高校入試。結果・・・なんと・・志望校“合格” 。
今でも、彼女の喜び弾んだ声で「先生、受かりました！！」―忘れる事は出来ません。 実はその時、チョッと涙ぐんでしまいました。ああ、恥ずかしい…。
